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コンピューターウイルスの歴史

おはようございます。今回はコンピューターウイルスについて話していきたいと思います。

1. 初期のウイルス 

  • 1971年: Creeper(クリーパー)
    世界初の「コンピューターウイルス」として知られているものは、1971年に作られたCreeperです。アメリカの研究者が実験的に作成したもので、PDP-10というコンピュータ上で動作し、自己複製はせずに「I'm the creeper: catch me if you can!(私はクリーパーだ、つかまえてみろ!)」というメッセージを表示しました。

  • 1983年: ウイルスの概念
    コンピューターウイルスという概念は、1983年にアメリカの大学院生フレッド・コーエンが提唱しました。彼は、コンピューターシステムに自己複製できるプログラムの可能性を示し、これが後のウイルスに繋がりました。

  • 1986年: Brain(ブレイン)
    世界初のMS-DOSコンピューター向けのウイルスであるBrainが出現しました。パキスタンの兄弟によって作成され、フロッピーディスクを介して広がりました。このウイルスは、最初の「ブートセクタウイルス」として知られています。

2. インターネットとウイルスの拡散 

  • 1990年代前半: フロッピーディスクの時代
    この時期、フロッピーディスクがウイルスの主要な拡散手段でした。ウイルスは、ディスクを共有することで拡散し、比較的限定的な範囲で被害が及んでいました。

  • 1995年: コンセプトウイルス (Concept)
    初のWordマクロウイルス「Concept」は、Microsoft Wordのマクロ機能を利用して自己複製しました。このウイルスは、Word文書を通じて感染を広げることができ、文書の交換が頻繁に行われる企業や個人に大きな影響を与えました。

3. インターネットの普及とワームの出現 (2000年代)

  • 2000年: ILOVEYOUウイルス
    2000年にフィリピンで発生した「ILOVEYOU」ウイルスは、電子メールを通じて急速に世界中に拡散しました。件名に「I LOVE YOU」と書かれたメールに添付されたファイルを開くと、コンピューター内のファイルが破壊されたり、連絡先に再送信されました。この事件により、電子メールがウイルス拡散の主要手段となったことが強調されました。

  • 2001年: Code Red(コードレッド)
    Code Redは、マイクロソフトIISウェブサーバーの脆弱性を悪用するワームで、短期間でインターネット上の数十万台のサーバーを感染させました。このウイルスは、DoS(サービス拒否)攻撃を行うことで、インターネット上のサービスに大規模な障害をもたらしました。

4. 現代のウイルスとサイバー攻撃 

  • 2010年: Stuxnet(スタックスネット)
    Stuxnetは、イランの核施設を標的とした高度なウイルスで、物理的なインフラに影響を与えることができるサイバー兵器の先駆けとして知られています。このウイルスは、特定の産業用制御システムを狙った非常に洗練されたプログラムでした。

  • 2017年: WannaCry(ワナクライ)
    WannaCryは、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)の代表的な例です。Windows脆弱性を悪用し、全世界で数十万台のコンピューターをロックし、データを人質に取って身代金を要求しました。この攻撃により、多くの企業や医療機関が大きな被害を受けました。